|公開日 2019.6.1

1|出題傾向と合格対策

1 やさしい科目で1点確保

区分所有法は「建物の区分所有等に関する法律」の略称です。
マンションなどの区分所有建物では1棟の建物の中に多数人が居住するため、特別に規律する必要から民法の特別法として定められました。
マンションに住んでいる受験者の方は、専有部分とか共用部分、規約・集会など、日々の生活で体験していることですから、理解しやすいでしょう。

集会、規約、議決権、専有部分、共用部分、各種決議などから基本事項が広く出題されます。
事例問題ではなく箇条書きの問題ばかりです。
類似問題は多くありませんが、やさしい科目ですから正解率も高く、絶対に落とせません。
テキストを読み、過去問練習で補強する──。
短時間の勉強で1点とれますので、ていねいに勉強することが得点のポイントです。

なお宅建業法では、区分建物(マンション)に関する重要説明事項は頻出項目ですから、区分所有法の知識が欠かせません。

2|直近7年間の出題テーマ


 平成30年|問13 
  • 規約の設定・変更等の手続
  • 規約の保管・閲覧請求
  • 規約の保管場所
  • 占有者の義務
 平成29年|問13 
|集会の招集に関して|
  • 管理者による招集
  • 招集請求の要件
  • 招集通知の方法
  • 招集手続の省略
 平成28年|問13 
  • 管理者による事務の報告
  • 管理者による共用部分の所有
  • 管理者の要件
  • 各共有者の共用部分の持分
 平成27年|問13 
  • 集会の議長
  • 集会の招集通知と規約の定め
  • 集会の議事録の作成
  • 管理者の選任手続
 平成26年|問13 
  • 管理組合法人の成立要件
  • 共有者に対する集会の招集通知
  • 滅失した共用部分の復旧決議
  • 規約の保管義務・閲覧
 平成25年|問13 
  • 占有者の議決権行使
  • 管理者の集会招集と集会の議長
  • 管理者による事務報告
  • 一部共用部分の共有者
 平成24年|問13 
  • 共用部分の保存行為
  • 共用部分の変更
  • 管理者による代理行為の効果
  • 共用部分の管理費用の負担

3|宅建試験問題|直近7年間

1 平成30年度

 平成30年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない。

 規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならず、閲覧を拒絶した場合は20万円以下の過料に処される。

 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。

2 平成29年度

 平成29年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。

 区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は規約で減ずることはできない。

 集会の招集の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受け取る場所をあらかじめ通知した場合には、管理者はその場所にあててすれば足りる。

 集会は、区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ないで開くことができる。

3 平成28年度

 平成28年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 管理者は、集会において、毎年2回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

 管理者は、自然人であるか法人であるかを問わないが、区分所有者でなければならない。

 各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、共有者数で等分することとされている。

4 平成27年度

 平成27年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 管理者が選任されていない場合、集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。

 集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。

 集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の1人がこれに署名し、押印をしなければならない。

 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任することができる。この場合、任期は2年以内としなければならない。

5 平成26年度

 平成26年|問13 
建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 区分所有者の団体は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として当然に成立する団体であるが、管理組合法人になることができるものは、区分所有者の数が30人以上のものに限られる。

 専有部分が数人の共有に属するときの集会の招集の通知は、法第40条の規定に基づく議決権を行使すべき者にすればよく、共有者間で議決権を行使すべき者が定められていない場合は、共有者のいずれか一人にすればよい。

 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、復旧することができない。

 管理者が、規約の保管を怠った場合や、利害関係人からの請求に対して正当な理由がないのに規約の閲覧を拒んだ場合は、20万円以下の過料に処せられる。

6 平成25年度

 平成25年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することができる。

 区分所有者の請求によって管理者が集会を招集した際、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者が集会の議長となる。

 管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

 一部共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのではなく、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。

7 平成24年度

 平成24年|問13 
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議を経ずに各区分所有者が単独ですることができる。

 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、規約でこの区分所有者の定数及び議決権を各過半数まで減ずることができる。

 管理者は、その職務に関して区分所有者を代理するため、その行為の効果は、規約に別段の定めがない限り、本人である各区分所有者に共用部分の持分の割合に応じて帰属する。

 共用部分の管理に要した各区分所有者の費用の負担については、規約に別段の定めがない限り、共用部分の持分に応じて決まる。


(この項終わり)