|公開日 2019.4.15
|目 次|
1|出題傾向と合格対策
1 出題数は2問|範囲は広い
都市計画法特有の専門用語が多く、はじめはとっつきにくいのですが、それほどむつかしい科目ではありません。
出題テーマは「都市計画」「開発許可|実体・手続」「建築制限等」「都計法全般」と広範囲に及んでいて、出題数は2問ですから骨の折れる科目ではあります。
過去の類似問題もそう多くはありません。
現在は出題数2問ですが、出題数が3問だった平成19年から「正しいものの組合せはどれか」という「組合せ問題」が登場し、その後は、24年、26年、29年に出題されました。
「組合せ問題」を正解するには確実な知識が必要ですから、「消去法」が通用しなくなる分、難化する傾向になります。
2 法令制限の基礎科目だ
都市計画法は、「建築基準法」「国土利用計画法」「農地法」などの基礎科目となりますから(「用途地域」を理解していないと「建築基準法」も正しく理解できない)、ここはシッカリと勉強する必要があります。
対策は「テキスト」精読と「過去問」練習の往復学習をくり返す反復学習。
「都市計画法」を制する者は、「法令上の制限」を制す、といえるでしょう。
2|直近5年間の出題テーマ
平成30年|問16
- 田園住居地域内の農地区域内における土地の形質変更
- 風致地区内における建築物の建築規制
- 市街化区域と市街化調整区域
- 準都市計画区域に定める区域
- 市街化調整区域内における非常災害に必要な応急措置
- 工事完了公告後における予定建築物以外の新築
- 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内における開発行為
- 準都市計画区域内における農業者の居住用建築物に係る土地の区画形質の変更
- 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内における建築物の建築
- 地区計画区域内における建築物の建築
- 都市計画事業の施行障害となるおそれがある土地の形質変更
- 都市計画事業地内の土地建物等の有償譲渡
|各区域内の土地の区画形質の変更|
- 準都市計画区域内における土地
- 市街化区域内における農業者の居住用建築物に係る土地
- 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内における変電所用建築物に係る土地
- 区域区分の定めのない都市計画区域内における遊園地用建築物に係る土地
- 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業等に定める事項
- 準都市計画区域に定める事項
- 高度利用地区の意味
- 地区計画に定める事項
- 開発行為に関する工事の廃止
- 二以上の都府県にまたがる開発行為
- 開発許可に基づく地位の承継
- 都道府県知事による建築物の敷地・構造等の制限
- 開発規模変更の許可等
- 予定建築物の建築行為の届出
- 開発行為に同意しない者の建築制限
- 市街化調整区域内の仮設建築物の新築
- 開発整備促進区を定める地区計画
- 区域区分
- 工業専用地域の意味
- 都市計画の抵触
- 地区計画を定める区域
- 高度利用地区の意味と地域
- 市街地開発事業を定める区域
- 高層住居誘導地区の意味と地域
|開発許可・協議を要する開発行為|
- 市街化調整区域における一定の行為
- 市街化区域における一定の行為
- 区域区分が定められていない都市計画区域における一定の行為
3|宅建試験問題|直近5年間
1 平成30年度
平成30年|問16都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 田園住居地域内の農地の区域内において、土地の形質の変更を行おうとする者は、一定の場合を除き、市町村長の許可を受けなければならない。
2 風致地区内における建築物の建築については、一定の基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
3 市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。
4 準都市計画区域については、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。
平成30年|問17
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1 非常災害のため必要な応急措置として開発行為をしようとする者は、当該開発行為が市街化調整区域内において行われるものであっても都道府県知事の許可を受けなくてよい。
2 用途地域等の定めがない土地のうち開発許可を受けた開発区域内においては、開発行為に関する工事完了の公告があった後は、都道府県知事の許可を受けなければ、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を新築することができない。
3 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、8,000㎡の開発行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
4 準都市計画区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的とした 1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 平成29年度
平成29年|問16都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
イ 地区整備計画が定められている地区計画の区域内において、建築物の建築を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
ウ 都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
エ 都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該事業の施行者の許可を受けなければならない。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
平成29年|問17
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積について、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1 準都市計画区域内において、工場の建築の用に供する目的で 1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で 1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、変電所の建築の用に供する目的で 1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
4 区域区分の定めのない都市計画区域内において、遊園地の建設の用に供する目的で 3,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3 平成28年度
平成28年|問16都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。
2 準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。
3 高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
4 地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度を定めなければならない。
平成28年|問17
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1 開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 二以上の都府県にまたがる開発行為は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
3 開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けることなく、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。
4 都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。
4 平成27年度
平成27年|問15都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1 市街化区域内において開発許可を受けた者が、開発区域の規模を100㎡に縮小しようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 開発許可を受けた開発区域内の土地において、当該開発許可に係る予定建築物を建築しようとする者は、当該建築行為に着手する日の30日前までに、一定の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
3 開発許可を受けた開発区域内において、開発行為に関する工事の完了の公告があるまでの間に、当該開発区域内に土地所有権を有する者のうち、当該開発行為に関して同意をしていない者がその権利の行使として建築物を建築する場合については、都道府県知事が支障がないと認めたときでなければ、当該建築物を建築することはできない。
4 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、都道府県知事の許可を受けることなく、仮設建築物を新築することができる。
平成27年|問16
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 第二種住居地域における地区計画については、一定の条件に該当する場合、開発整備促進区を都市計画に定めることができる。
2 準都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、区域区分を定めることができる。
3 工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域であり、風致地区に隣接してはならない。
4 市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、市町村が定めた都市計画が優先する。
5 平成26年度
平成26年|問15都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 都市計画区域については、用途地域が定められていない土地の区域であっても、一定の場合には、都市計画に、地区計画を定めることができる。
2 高度利用地区は、市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため定められる地区であり、用途地域内において定めることができる。
3 準都市計画区域においても、用途地域が定められている土地の区域については、市街地開発事業を定めることができる。
4 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定められる地区であり、近隣商業地域及び準工業地域においても定めることができる。
平成26年|問16
次のアからウまでの記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のある、又は同法第34条の2の規定に基づき協議する必要のある開発行為の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、開発許可を受ける必要のある、又は協議する必要のある開発行為の面積については、条例による定めはないものとする。
ア 市街化調整区域において、国が設置する医療法に規定する病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる 1,500㎡の開発行為
イ 市街化区域において、農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる 1,200㎡の開発行為
ウ 区域区分が定められていない都市計画区域において、社会教育法に規定する公民館の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる 4,000㎡の開発行為
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 ア、 イ、ウ
(この項終わり)